定年後の暮らしは読書三昧 菊池寛「真珠夫人」を読む
何か以前にこの『真珠夫人』をリメイクしたテレビのドラマがあったようで、そのテレビを観た妻がこの本を買っておいたようだ。面白いので読んでみたらということで読み始めた。
古い文庫本で、文字は小さくページ数が500ページを超える厚い文庫本で、ちょっとてこずったが一週間ぐらいかかって読み終えた。川端康成が解説を書いているのにもビックリした。「通俗小説」だと川端はいっているが、私にもあの『恩讐の彼方に』の菊池寛のイメージがあり、こういう小説を菊池寛が書くとは、と思ったのだった。
読み進めていく中で、これが大正時代に書かれた新聞小説とは思えなかった。もちろん古い言葉が出て来て、時には今だったら差別用語でカットされるような言葉も出ては来たが、内容、話の筋は何か今テレビでやっているようなサスペンス推理ドラマというような感じで、面白く楽しく読み進めることが出来た。今だったら、この妖艶な瑠璃子を誰が演じるだろうな(^_^)
・・・読書はいい。大げさにいうと生きている喜びを感じるときだ。
「真珠夫人」菊池寛 文春文庫 2002年8月10日第一刷
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