定年後の暮らしは読書三昧 平岩弓枝「千姫様」「密通」
「ベトナムの桜」以来、久しぶりに平岩弓枝を読んだ。「千姫様」と「密通」。「千姫様」には最後、甲府藩の綱重と綱豊が出てきて面白さが倍増した。「密通」も8つの話を、面白く楽しく読み終わることができた。
《「千姫様」平岩弓枝 角川書店 平成2年9月30日初版発行 》
大坂の陣で大阪城が落城、一番目の夫豊臣秀頼と分かれ、逃亡してからの千姫の数奇な運命を描く。千姫は、二代将軍秀忠の子供、家康の孫であり三代将軍家光の姉である。
千姫の二番目の夫本田忠刻と通じた三帆の娘おなつが家光の息子を産み、その子は千姫の養子として育てられた。そしてその子長松が”綱重”になり、綱重は万治4年17歳で甲府宰相25万石となった。更にこの綱重の子が”綱豊”で、六代将軍家宣になった。
もちろん平岩弓枝の創作だが、話の大きな流れは史実であろう。血縁関係が複雑なこの時代に翻弄されつつも、千姫として自分の意思を持って生き抜いた姿が、どちらかというと好意的に描かれていたように思う。
秀頼が生きていたらという設定もなかなか面白い。この時代の恋愛小説といえるかもしれない。
《「密通」平岩弓枝 東京文藝社 昭和52年8月30日発行 》
8つのお話 「密通」「おこう」「居留地の女」「心中未遂」「夕映え」「江戸は夏」「露のなさけ」「菊散る」
・・・読書はいい。大げさにいうと生きている喜びを感じるときだ。
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