定年後の暮らしは読書三昧 葉室麟「峠しぐれ」を読む
池波正太郎の「剣客商売」を読み続けているが、ちょっと一休み、今回はやはり時代小説の葉室麟の「峠しぐれ」を読んだので読後感を。
葉室麟は、以前見た映画「蜩ノ記」の原作者だ。
弁天峠という峠の茶屋を営む主人の半平と女房の志乃、わけありの二人。二人の辛い過去に関わる様々な危機的出来事が起こる。それらを乗り越え、再び平穏な峠の茶屋を続けていくと思わせる筋で終わっている。
最後、峠の茶屋にいる志乃が、降り続く雨の中を足を引きずるようにゆっくり峠を上ってくる半兵を見つけるラストシーンは何か映画を見ているようだ。ハッピーエンドでホッとする。
文庫本の最後、解説で細谷正充(書評家)が、書いている。”・・・さらに志乃と千春、夜狐お仙とゆりをメインとしていくつかの母娘のあり方が響き合う。・・・半平と志乃を通じて夫婦の情愛を活写した作者は、母娘の愛情も同じように描き出している。こうした点を考えると本書は、家族の物語であると、いっていいのかもしれない。・・・”
・・・読書はいい。大げさにいうと生きている喜びを感じるときだ。
「峠しぐれ」葉室麟 双葉文庫 2017年11月19日 第1刷発行
2020年3月8日の記事
→ 定年後の暮らしは映画三昧 「蜩の記」を観る
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コメントいつもありがとうございます。
「小さな旅」は、山梨ではローカル番組で一週間前に放映され、私も見ました。
テレビでも放映していましたが、山梨の宝飾研磨工場は多くが家内工業なのです。個人の匠の技が多いようです。
金桜神社、黒平を経て信仰の山金峰山までの山道は、ものすごく厳しい道程ですが、その途中に鉱山があったということです。
御嶽昇仙峡が今回日本遺産に認定されたテーマが、「甲州の匠の源流・御嶽昇仙峡~水晶の鼓動が導いた信仰と技、そして先進技術へ~」ですが、”匠の源流””水晶の鼓動”は、この事をいっているのです。
シャトレーゼが亀屋万年堂を買収したというニョースももうびっくりです。甥っ子が、シャトレーゼへ技術職で勤めていることもあって。
投稿: Tsuka | 2021年2月22日 (月) 午後 08時13分
Tsukaさま、おはようございます。
昨日は、NHKの「小さな旅」で「宝石の町甲府」が出てきたり、民放でシャトレーゼの紹介があったりと山梨を思い出せる番組に出会うことができました。
今日も、20度超えの暖かい1日になりそうです。
投稿: らぶ | 2021年2月22日 (月) 午前 05時38分