カテゴリー「読書・書籍・雑誌」の63件の記事

まだまだ読書力は落ちていないぞ・・・

2020年12月 7日 (月)

え~、これで終わり? 佐伯泰英の『空也十番勝負 青春篇』

 佐伯泰英『居眠り磐音』51巻の続編、『空也十番勝負 青春篇』全7巻を読み終わった。『居眠り磐音』ほどではないが、それでも楽しく嬉しく読み進めることが出来た。次を期待し、わくわくしながら本を読み進めることの出来る楽しさ嬉しさ・・・時々本を閉じて、大げさにいうと生きている喜びをかみしめるのだった。

 『声なき蟬』で薩摩を出た空也は、八代、人吉、福江、対馬、平戸と長い武者修行の旅を続け、長崎に辿り着く。そして最後、薩摩以来因縁の酒匂太郎兵衛と闘い、相打ちで死ぬ。
・・・寛政十年師走の未明、聖寿山崇福寺の大雄宝殿の石畳に空也は地に紛れて転がっていた・・・
 なんということだ。物語もここで終わってしまう。鹿児島から長崎までの武者修行旅を丁寧に丁寧に描いていたのに、最後の場面のこのあっけなさは何だ。

 終わるのなら、武者修行をやめ、江戸に戻る、眉姫と一緒になる、尚武館道場の跡継ぎになるなど物語はまだまだ沢山あったろうに。楽しみにこの空也シリーズを読み進めてきたものとしては、単純だがハッピーエンドで終わってほしかった(^0^) 

 現実的えげつない話だが、結局柳の下で『居眠り磐根』を狙ったが、それほどこの『空也十番勝負』シリーズが売れなかったということだろう。出版業界厳しい時代だからな~。


・・・読書はいい。大げさにいうと生きている喜びを感じるときだ。


 『空也十番勝負 青春篇 声なき蟬 上』佐伯泰英 双葉文庫 2017年1月11日

 『空也十番勝負 青春篇 声なき蟬 下』佐伯泰英 双葉文庫 2017年1月11日
 『空也十番勝負 青春篇 恨み残さじ』佐伯泰英 双葉文庫 2017年9月17日
 『空也十番勝負 青春篇 剣と十字架』佐伯泰英 双葉文庫 2018年1月9日
 『空也十番勝負 青春篇 異郷望みし』佐伯泰英 双葉文庫 2018年6月17日
 『空也十番勝負 青春篇 未だ行ならず 上』佐伯泰英 双葉文庫 2018年12月16日
 『空也十番勝負 青春篇 未だ行ならず 下』佐伯泰英 双葉文庫 2018年12月16日

 2020年9月7日の記事 → 『空也十番勝負 青春篇 声なき蟬(上) (下)』を読む

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2020年10月20日 (火)

退職後の暮らしは読書三昧 辻村深月『朝が来る』を読む

 NHKラジオ深夜便で、辻村深月が話していた。辻村深月は山梨県出身で直木賞作家ということで、今までローカルの新聞やテレビなどで様々な紹介があったが、林真理子と同じようで、天邪鬼な私は何となく彼女の作品を読むのを避けていたように思う。
 朝早く目が覚め聞いていたこのラジオ深夜便で、辻村深月がなかなかいい話をしていた。それでその中で話題となっていた『朝が来る』を読むことにした。この『朝が来る』は本屋大賞を受賞した作品だという。

 特別養子縁組で子供を迎えた夫婦と、その子供の母親を巡ってのヒューマンミステリーと銘打っている。最初は夏樹静子を読んでいるような感じだったが、途中から何人かの立場と時間を変えて描くやり方は湊かなえを彷彿させた。(湊かなえほど複雑ではない。)
 しかし、全部を読み切り、なるほどこれが辻村深月なんだと思った。後半は、一気に読み進めてしまった。この作者の他の小説も読んでみようかと思ったのだった。

 河瀨直美監督で映画化され10月23日から公開されるという。私が好きな永作博美が出演するという。これは観なければ。

・・・読書はいい。大げさにいうと生きている喜びを感じるときだ。

 『朝が来る』 辻村深月 文春文庫 2020年3月20日第7刷

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2020年10月 8日 (木)

定年後の暮らしは読書三昧 平岩弓枝「千姫様」「密通」

 「ベトナムの桜」以来、久しぶりに平岩弓枝を読んだ。「千姫様」と「密通」。「千姫様」には最後、甲府藩の綱重と綱豊が出てきて面白さが倍増した。「密通」も8つの話を、面白く楽しく読み終わることができた。

《「千姫様」平岩弓枝 角川書店 平成2年9月30日初版発行 》
 大坂の陣で大阪城が落城、一番目の夫豊臣秀頼と分かれ、逃亡してからの千姫の数奇な運命を描く。千姫は、二代将軍秀忠の子供、家康の孫であり三代将軍家光の姉である。
 千姫の二番目の夫本田忠刻と通じた三帆の娘おなつが家光の息子を産み、その子は千姫の養子として育てられた。そしてその子長松が”綱重”になり、綱重は万治4年17歳で甲府宰相25万石となった。更にこの綱重の子が”綱豊”で、六代将軍家宣になった。
 もちろん平岩弓枝の創作だが、話の大きな流れは史実であろう。血縁関係が複雑なこの時代に翻弄されつつも、千姫として自分の意思を持って生き抜いた姿が、どちらかというと好意的に描かれていたように思う。
 秀頼が生きていたらという設定もなかなか面白い。この時代の恋愛小説といえるかもしれない。

《「密通」平岩弓枝 東京文藝社 昭和52年8月30日発行 》
 8つのお話 「密通」「おこう」「居留地の女」「心中未遂」「夕映え」「江戸は夏」「露のなさけ」「菊散る」

 ・・・読書はいい。大げさにいうと生きている喜びを感じるときだ。

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2020年9月 9日 (水)

定年後の暮らしは読書三昧 馳星周「少年と犬」を読む

 第163回直木賞受賞作品 馳星周の「少年と犬」を読んだ。まだ新しい本なので出来るだけネタバレなしで、読後感ほんの少々。

 「タモン」という1匹の犬が、釜石からいろんな人生を垣間見ながら熊本に行き着き、そこで待っていた緘黙の少年と邂逅(再会)する。最後、少年を守るシーンでは、思わず涙してしまった。最近涙もろくなった。

 人間は、悪いことをする人、自分勝手な人、妻を顧みないような人もみんなみんな最終的にはいい人なんだという性善説のお話で、読みやすく安心して読めた。

 〇〇賞受賞作品は余り読まないという天邪鬼の私だが、この本はなかなかいいではないかと思ったのだった。私が出版業界に貢献した一冊(^0^)

・・・読書はいい。大げさにいうと生きている喜びを感じるときだ。


 『少年と犬』馳星周 文藝春秋社 2020年8月25日第7刷発行 1,600円

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2020年9月 7日 (月)

定年後の暮らしは読書三昧 『 空也十番勝負 青春篇 声なき蟬 (上) (下) 』を読む

 居眠り磐音の息子”空也”の読みやすく楽しい物語である。若者(空也)が思い決めた剣術修行で薩摩に向かい、様々な苦難を乗り越えて薩摩に入り、剣術の修行をし恋をし何年か過ごし、最後にまた薩摩を去って行くというお話。青春物語で読んでいて何か明るく楽しい気持ちになった。”十番勝負”とあるからこの後、続きがあるのかなと思ったが、どうもないらしい、残念。

<後日追記>続きが、第7巻まではありました。が、残念ながら十番勝負まで行かなかった。

 ところで、(下)のあとがきで、作者佐伯泰英がこう書いている。
・・・出版不況がうんぬんされ始めたのは、二十年余り前のことか。・・・だが、どんな状況下でも小説家は小説を書くしか能はない。 書店が近くにある読者諸氏にお願い申します。書店さんが近くにない方は、大きな町を訪ねた折りにふらりと本屋の書棚を覗いてください。そして、誰の本でもいい、手にとって紙の本の感触を改めて確かめてください。・・・

 出版不況については、今の社会状況の中でわかってはいたが、改めてそうなのだと思った。いつも図書館で本は借りているのだが、それでは少しは社会貢献と、本屋に行くことにした。いつも利用している駐車場からわずか5分、老舗のデパートの中にある大きな本屋さん。(いつかゆっくり行ってみたいと思っていた。)
 そして手にし買ったのが、いつも見ているブログ「はりねずみが眠るとき」で紹介されていた直木賞作家馳星周(はせせいしゅう)の『少年と犬』。いつも何々賞を取ったとかいう本は余り読まないと言っていたのにね。出版業界本屋さんにほんのわずかだけれども貢献しようと思って。
 次の私のブログのレポートは、この「少年と犬」についてかな。

・・・読書はいい。大げさにいうと生きている喜びを感じるときだ。

 『 空也十番勝負 青春篇 声なき蟬(上)(下)』 佐伯泰英 双葉文庫 2017年1月11日第一刷

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2020年7月24日 (金)

定年後の暮らしは読書三昧 藤沢周平「一茶」を読み終わって

 藤沢周平をひたすら読んでいた頃が懐かしい。ブックオフで出していた「藤沢周平作家目録」リストで、読み終わった本の項目に日にちを書き、チェックを付けていくのが楽しみだった。「蝉しぐれ」や「立花手控えシリーズ」などは、何度もチェックが付いた。このリストでほとんどの本に読み終わったチェックが付いたが、一つだけ残っていたのが「一茶」だった。

 時代ものはすらすら読み、読み進めるのが楽しみだった。市井もの短編ものは、夜寝る前に一話読みそして寝るという具合だった。だが、「白き瓶」「雲奔る」など長編で伝記風のものなどは読み終わるのに少々苦労した。それで、この「一茶」が一つ残っていたのだ。もしかしたら、以前少し読み始めて、途中で読むのを止めていたのかもしれない。

 今回、県立図書館で借りてきた藤沢全集に入った「一茶」を何日かかけ読み切り、ああよかったと思った、感慨深かった。これでリスト全部にチェックが付いた。
 そして、ふと思った。これは「居眠り磐音」五十数巻を読み切り、宮部みゆき、湊かなえの本を何冊か読み、本を読むことに自信が付いたのではないか、コロナ禍で本を読む時間が沢山あって、ここのところ読書力が高くなったのではないか、と思ったのだった。

・・・読書はいい。大げさにいうと生きている喜びを感じるときだ。

  藤沢周平全集第8巻 文藝春秋社 平成5年8月発行

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2020年7月 7日 (火)

定年後の暮らしは読書三昧 松本清張「黒い画集 遭難」を読む

 6月27日のNHKラジオ第一の「山カフェ」のテーマは、「映画で旅する山」だった。その中で『黒い画集 ある遭難』を紹介していて、松本清張の原作だということで、興味をもった。さっそくその原作の小説の方を、県立図書館で探してもらい借りてきて読んだ。

 本は昔の分厚い全集、字は小さく私には、ちょっと読みづらい本だった。「黒い画集」は短編の推理小説シリーズで、映画では「ある遭難」のようだが、小説の方は単に「遭難」だ。鹿島槍ヶ岳の登山のお話でほとんどが山登りの場面で興味深く読んだ、面白かった。

 推理小説というよりも、山岳小説として面白く読み進めることが出来た。松本清張は、小説を書くにあたり、専門家から色々話を聞いたり、自分でも鹿島槍ヶ岳へ登ったそうだ。

 映画の方もいつか観てみたいものだ。

・・・読書はいい。大げさにいうと生きている喜びを感じるときだ。

 『黒い画集 松本清張全集4』松本清張 株式会社文藝春秋 1974年7月5日 第3刷

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2020年5月19日 (火)

定年後の暮らしは読書三昧 湊かなえ「絶唱」を読む

 湊かなえ「絶唱」を読んだ。「花の鎖」「山女日記」「告白」に続く4冊目。

 トンガ王国、その国に住むゲストハウス経営の女尚美、そして阪神淡路大震災、この三つが「楽園」「約束」「太陽」「絶唱」の4つの章からなる話にみんな結びついてこの小説は展開する。
 
 特に印象に残ったところ、「太陽」の章で作者は、テレビで阪神大震災の様子を見ていてもたってもいられなくなって被災地にボランティアに行ったセシミにこういわせている。
・・・
 子どもは太陽だ。子どもたちが輝かない場所に、作物は実らない、人は集まらない、町はできない。だけど、どんなに絶望的な出来事が起きても、子どもたちが輝いている限り、そこに未来は必ず訪れる。
・・・
 そして、杏子が今まで若干虐待気味な花恋を、セシミのいうように輝くように育てていくかなということを匂わせ、この章は終わっている。

 この小説は全て、湊かなえの「国際ボランティア」「阪神淡路大震災」という実体験がベースで書かれているのではないだろうかと思った。 
 最後の章「絶唱」で、
・・・
 最後に、もう一つ。
 あなたが旅立ったあと、日本ではあの時よりもさらに大きな震災が起こりました。
 内側も外側も境界線も意味をなさない、安全なところにいたわたしはやはり微力で、多くの人の役に立てるようなことは何もできなかったけれど、大切な人のもとにかけつけて、一六年前にその人がしてくれたように、何も言わずに傘を差し出すことができました。
 小説など何の役に立つのだろうと、ふがいなさに唇をかみしめる日々が続いたけれど、書く手を決して止めることだけはしませんでした。あの時の郵便屋さんのように。
 そして、今も物語を書き続けています。ただそれを、ありがとうと言いたくてー。
 尚美さん、もうすぐあの震災から二〇年です。
・・・
と書いて「絶唱」を閉じている。これは、湊かなえ自身の気持ち、覚悟だろう。

 爽やかな気持ちで湊かなえ4冊目、「絶唱」を読み終わった。

・・・読書はいい。大げさにいうと生きている喜びを感じるときだ。


 「絶唱」 湊かなえ著 新潮社 2015年1月17日

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2020年5月11日 (月)

定年後の暮らしは読書三昧 湊かなえ「告白」を読む

 湊かなえ「告白」を読む。「花の鎖」「山女日記」の続きで読んだ本だ。三冊とも、立場を変えながら話を進めていくという手法。他のこの人の小説もみんなこんな感じなのだろうか。湊さんの得意の手法なのか。

 以前話題になり、映画にまでなった作品のようだが、私は全く知らなかった。もともと、話題になった本とか、何々賞をもらったとかいう本は私は余り好きでなく読んでいないのだが。

 内容は学校、離婚、引きこもりなど当時の社会情勢を反映したような何かおどろおどろしい話で、私は余り好きな中身ではないが、続きを読みたくて結構早く読み終わった(笑い)

 「山女日記」はともかく、あの山の番組に出ていた湊さんと、この二つの小説の作者というギャップがすごい。

・・・読書はいい。大げさにいうと生きている喜びを感じるときだ。

 「告白」 湊かなえ 双葉文庫 2018年4月27日第89刷

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2020年5月 5日 (火)

湊かなえ「山女日記」を読む

 湊かなえの本、2冊目は「山女日記」。読み進める中で、ああこれは「花の鎖」と同じ、湊かなえの文章だと思った。もしかしたら、作者がわからないで文章を読んでも、ああこれは湊かなえだとわかるかもしれない。

 7編とも山登りのお話、いずれもハッピーエンドをにごわせ終わっている。大げさではなく、登山のよさ楽しさを淡々と書いている。そしてその人の心持ちで(置かれた環境で)楽しさ喜びも当然違うのだと思った。

 山の知識、よさがいっぱい詰まっている。楽しく読み進めることが出来た。

・・・読書はいい。大げさにいうと生きている喜びを感じるときだ。

 『山女日記』湊かなえ 幻冬舎文庫 平成31年4月10版

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